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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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1-4: 「説明をしてくれる」歯医者さん(2)
 では「説明」とは何でしょう。

 あなたがカメラを買おうと思って、カメラ屋に行ったとします。ちなみにあなたには、あまり詳しいカメラの知識はないと仮定します。
 店員に「旅行に持って行くカメラを探しているのですが、いいのありますか」と、尋ねます。
「これなんかいかがでしょう」と、店員がカメラをショーケースから出しました。
「オートフォーカスで3倍ズーム付きの一眼レフです。APSなので小型軽量、旅行にはもってこいです。露出は当然プログラムオートですが、このピクチャーガイドに従えば動体撮影や静物を取るのも一発です。マクロも付いているので便利です」
 カメラが好きな人以外は恐らく「3倍ズーム」以外、漠然としか判らないのではないでしょうか?

 医者・歯医者の中にもこれ式の説明をもって、「説明」としている方が随分多いのではないでしょうか。
「カリエスが深いので歯髄までいっちゃてるなあ。抜髄しないとならないですな」
これじゃチンプンカンプンです。判りやすく言いなおすと、
「虫歯が深いので神経まで達してます。神経を取らないとだめですね」
最低このくらいは、手をつける前に言って欲しいです。

 でも、これは普通当たり前です。
 「本当の説明」は、手をつける前に次のことを言わなければなりません。
「虫歯が深いので神経まで達してます。神経を取らなければなりません。これ以上放っておくと中で膿んで痛みがひどくなります。
 本日、神経を抜かせていただきますが、歯の裏側から少し削って穴を開けます。あとで噛んだら痛くなることもありえますので、噛み合わせも少し調整させて下さい。1ミリ位歯が短くなりますが、神経の治療が終わったらちゃんとなおします。麻酔をさせていただきますが、麻酔が切れた後、一時的に痛みが出ることがございますので、痛み止めのお薬を出しますね」 
 今回、初めて神経を取る患者さんにはこの位の説明をしなければだめだと思います。もちろん何度も神経を取る治療を受けていることが判っている患者さんには、ここまで言う必要はないと思いますが。
  
 さらに、ホントに本当は次の様に付け加えなければなりません。
「神経の治療は通常3回くらいかかりますが、治り具合は個人差がありますのでもう少し回数がかかるかも知れません。神経の治療がすっかり済んだなら、土台の型をとって土台を入れます。さらに型を取って歯を被せることになります。一週間に2回くらい通うペースで治療期間は約一月位。治り具合によってはもう少しかかるかも知れません。被せるものには保険の範囲でできるものと、保険の範囲ではできないセラミックの歯などがありますが、そのことについてはまた後で相談させていただきます」

 さすがに僕も全ての患者さんにはそこまで説明するのは骨が折れますが。
 でも、ここまで説明しても、神経を取った次の回に患者さんが来られた時、
「今日、歯が入りますか」などと言われた日には、「ああ、意思疎通ができてなかった」と、がっくりくることもございます。

 いかがです、あなたは歯科治療の際、この位の説明を受けていますか?

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