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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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5-5: 治療法と治療費の目安(歯槽膿漏編-2)
 前回は歯周病の重大さをかいつまんでお話いたしました。
 今回は治療について書かせていただきます。

 歯周炎の初期の状態は「歯肉炎」と呼ばれ、文字通り歯茎の炎症です。歯茎が腫れた感じがしたり、歯ブラシなどのちょっとした刺激で出血したりします。通常、強い痛みはありません。場合によっては少し歯が浮いたような感じがすることもあります。

 歯肉炎は恐らくほとんどの方が、経験があると思われます。また、この段階ではほとんどの場合、適切なブラッシングにより完治します。もちろん僕も何度も経験があります。
 ブラッシング方法は、歯ブラシを歯と歯茎の境目に毛先を当てて、横に小刻みにマッサージする方法が推奨されております。もちろん正しくは歯科医院で教わった方がいいのですが、依然としてプラークと呼ばれる歯につく垢(歯垢)を落とすことに専念する歯科医院も多いので、要注意です。
 一定年齢以上(20歳台半ば以上)では、新たな虫歯は余程のことが無い限りできません。ですから染め出して「虫歯予防の歯ブラシ」方法を叩きこむ従来の歯磨き指導は、僕は時代遅れだと思っております。もちろん今まで虫歯が多かった方、治療の箇所がたくさんある方は従来どおりの「虫歯予防の歯ブラシ」が必要ではありますが・・・

 さて、歯肉炎の状態を放っておきますと、炎症が骨に波及し、歯を支える骨が溶けてきます。通常は部分的に溶けてくるので、これまた強い症状はありません。まれに歯茎がぷくっと腫れたりすることもありますが、たいていは強く痛まないのが特徴です。そして気が付かないうちに「腫れ」が収まったりするものですから、ああ治ったと勘違いすることもあります。
 すでにこの段階では細菌が歯と歯茎の間に棲家を作って、いわば定住を始めます。そして、抵抗力が落ちるようなとき(風邪をひいたり、疲れやストレスがたまったりしたとき)に活発に数を増やし、そして骨を破壊していきます。
 また、歯と歯茎の間(歯周ポケット)がある程度深くなると、歯ブラシの毛先が届かなくなりますので、細菌にとってはますます好都合になるのです。
 
 そして、この歯周ポケットの中に汚れが溜まり、いずれ固まって歯石となります。
 このような状態になりますと、もはやブラッシングだけではどうしようもなくなります。そして、歯科医院でできる治療はまず、歯石を徹底的にきれいに落とすことから始まります。
 もちろん、歯がどの程度動くか、歯と歯茎の間がどの程度の深さなのか、適宜チェックしながら治療は進められます。

 少し程度が悪い状態の時は、簡単な手術が必要な場合もあります。手術といってもちょっと麻酔をして根についた頑固な汚れを落とす程度のものから、歯茎を切開し、中を徹底的にきれいにするものまで様々です。
 ここまでの段階は初期から中等度の歯周炎の症状と治療です。いったんここで区切り治療費のことを書きましょう。

 まず検査ですが、およそざっと検査する方法と、念入りに検査する方法があります。念入りに検査するのは、ある程度進行した症例か、後々外科的な処置が想定される場合に行われます。ただ、歯科医師の判断でどちらかを選択します。この検査料と初回の状態を管理する料金として、2割負担で600円位、3割負担で約1000円位とお考え下さい。
 ただ、歯の本数によって変ってきます。上記は標準的な歯の本数で、簡単な方の検査の場合です。また歯石をとるのは歯の本数や部位に応じてかなりバリエーションがありますが、一回にざっと落とす分には、そんなに高い料金ではありません。まあ一度に2割負担で300円位、3割で500円位が、恐らく妥当なところでしょう。お口の中全体を一度にきれいにすることも、可能は可能ですが、時間がかかるのと、あまり推奨された手段ではありません。

 もちろん、以前の槁でもお話したように、他の治療や検査、歯槽膿漏の状態を管理する管理料などと組み合わされると、合算された料金になります。

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