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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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7-1: 上手な歯科のかかり方(1)
 今までは、どちらかと言うと歯医者の立場からばかり書いてきました。
 「一休み」でも書きましたが、あとで読み返してみると、あまり「歯科医院選び」の参考にならないかなあ、と反省しております。

 ちょっと視点を変えて、患者さんの立場から上手に歯科にかかり、そして、「この歯医者にかかり続けて大丈夫か?」ということを考えていきましょう。

 今回は、全く新しく歯科医院にかかる場合(転勤などで、引っ越してきたが、どこにかかったらいいかまったく判らない)に的を絞ります。

 新しい土地で急に歯が痛くなった。辛いですよね。今まで通っていた歯医者はそこそこだったけど、遠く引っ越してしまったので、もう通えません。
 近所付き合いもまだ浅く、評判も聞けません。あなたは自力で「自分が通える範囲」に新たに歯科医院を探さなくてはなりません。

 まず、電話帳を繰ります。でも、電話帳を見ても「何も」判りません。大都市では、自分の通える範囲の歯科医院を拾うだけでも大変です。電柱広告、バスや電車の広告、その他広告を見てもせいぜいわかるのは、院長名、診療時間、場所、電話番号くらいです。
 あなたの関心は、恐らく「痛くないだろうか?」、「腕はたしかだろうか?」、「治療費は適正だろうか?」、「きちんと説明してもらえるだろうか?」などなどでしょう。
 でも、電話帳や広告では一切判りません。(広告に規制があるためです)

 最近、インターネットにホームページを出す歯科医院も増えてきました。
 幸い今これを読んでいるあなたは、ネットに接続していますので、検索して探してみることでしょう。ホームページは、一部の県を除いて歯科医院が自由に内容を作れるため、現在活用する歯科医院が急増しています。
 ただ、検索の網にかかるのは、恐らく少ないでしょう。
 幸い自分の通える住所にホームページを出している歯科医院が見つかったとします。
 
 大抵いいことしか、書いていません。でも、得意分野くらいは判るでしょう。インプラントや審美歯科に力を入れていそうなら、「治療は高度」だけれど、「料金」も高いと推察することも可能です。
 驚いたことに、ホームページの中で、「下顎遊離端欠損に対しては・・・」などと、どう見ても患者さんには理解できない言葉で、説明を連ねているサイトもあります。「ああ、ここは患者さんに口で説明する時も、こんな判らない言葉で説明するんだろうなあ・・・」と推察されます。

 でも、情報はないよりかはマシです。とりあえず、見つけた歯科医院を受診してみることにしましょう。(歯科医院のホームページが見つからなかった場合も含めて)

・一戸建てか、テナントか?
 これは歯科医院を開業するときも、悩みます。それぞれメリット・デメリットがあるからです。
 僕はよほど都市部の一等地でもなければ、一戸建てをお勧めいたします。

 なぜなら、院長が熟睡しているか、酩酊しているか、はたまた家族サービスで家を空けているかしなければ、「時間外」や「休日」でも診てもらえる可能性があるからです。
 もちろん、テナントでやっておられる先生にも素晴らしい歯医者さんはたくさんいます。ただ、物理的に「不在」の時は対応できません。
 
 そして現実に僕のところでも、夜や日曜日にどうしても痛くて(あるいは被せたものが取れて)診て欲しいという患者さんは、月に一人はおります。 

・診療時間は?
 日本全国の歯科医院の平均診療時間は判りませんが、一般的に朝9時位から夕方6時位まで、間に休憩が1時間、というのが普通ではないでしょうか?
 もちろん、夜9時10時まで開けていたり、年中無休という歯医者も中にはあります。
 利便性は高いのですが、気を付けていただきたい事がひとつあります。
 
 人間は生き物である以上、休息も必要ですし、緊張感を長時間持続させるのにも限界があります。ですから、一人の先生が、仮に夜遅くまでかつ年中無休で診療していらしたら、「どうなるか」を考えていただきたいのです。
 (それが、ダメだと言っているのではありません。それがいいか悪いかは、これをお読みの皆様に考えていただきたいのです)
 もちろん、「院長」が適宜休んで、その間「院長と同等の腕前と人格をもった雇われドクター」が診療するなら別ですが・・・

 世の中どんどん便利になってきています。スーパーも本屋も夜遅くまで開いているところも増えてきましたし、コンビニのほとんどは24時間年中無休です。
 時代の流れからすると「歯科医院」も追従していくのでしょう。患者さんの中にも、本当に夜や休日しか受診できない、という人が増えているだろうとは思います。
 そして、夜や休日もやっている(やらなければならない)歯医者さんも大変だろうなあ、と頭が下がります。

 でも、僕には「昼間一生懸命診療して」疲れた体を癒す時間と、週に一度の休みは必要です。

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