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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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5-4: 治療法と治療費の目安(歯槽膿漏編-1)
 一般に「歯槽膿漏」と呼ばれる症状は、「歯のまわりの組織の炎症」の進行した状態と、捉えることができます。歯槽膿漏という字は「歯茎から膿が漏れ出る状態」を表すからです。
 ただ、判りやすいので歯科で言うところの「歯周病」あるいは「歯周症」と同義語として、扱うことにします。

 歯周病は「囲の気」で、大変多くの状態を表しますが、ここでは大概の人が慢性的にかかっている「歯周炎」にまとを絞ってお話いたします。
 歯周炎の概略をお話いたします。
 歯と歯茎の間の隙間からは、絶えず細菌が入り込んでおります。この細菌は虫歯を引き起こす細菌とは種類が異なり、歯茎をアタックします。

 そして歯茎が炎症を起こすと、歯を支えている骨が溶けていき、最終的には歯がぐらついていきます。
 実は歯周病は虫歯よりも、はるかに恐ろしい病気なのですが、一般にあまり認識されておりません。理由は次の通りです。

1)初期〜中期にかけて目だった症状があまり出ない
  (症状としては、たまに軽く歯茎がうずく、出血しやすい、歯茎が少し腫れている・・・程度です)
2)お口の中の健康状態は「虫歯」に気をつけることのみ言われてきて、歯周症に対する警戒がほとんど啓蒙されていない。
3)進行が慢性的(ゆるやかに病状がすすむ)であるため、仮に軽度の症状が出たとしても、そのうち歯医者に行こうと思っているうちに、症状に慣れてしまう。
などが挙げられます。

 さらに恐ろしいのは、もし仮に歯を抜かなければならなくなった「後」にまで、影響が及んでくることです。
 虫歯で歯を抜いたとしても、骨さえしっかりしていれば、その後よい状態で入れ歯を作って入れたり、あるいはインプラントなどの治療もうまくいきやすいのですが、歯周病で歯を失うということは、骨が減っている(痩せている)ということなので、入れ歯にせよ、インプラントにせよ大変難しい症例になってしまうのです。

 歯周病の直接的な原因は細菌ですが、間接的には様々な要因が挙げられます。
 ストレス、食生活、不規則な生活リズム、悪習癖、そしてもちろんブラッシング不足なども原因となります。また、歯と歯茎との境目の虫歯や、歯医者による「あまり上手でない治療」も原因になります。
 歯と歯の間にものが挟まって、放置していても進行しやすいです。

 とにかく、お口の中の環境の「一生」を左右しかねない病気なのに、ほとんどの方があまり関心を示さない、ということが最大の問題なのです。
 
 今回は治療のことや治療費に関することは書けませんでしたが、次回より歯周病の「治療と治療費」のことを書きます。

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