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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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6-2: 自費治療について(2)
 保険治療と自費治療に関してちょっと似た例を思い出しましたので、書きます。

 住宅を建てるときに、ある一定の条件を満たしていれば、「住宅金融公庫」という機構から低利で融資を受けることができます。その条件とは、年収とか担保の有無とか、建物の用途などといった要件も、もちろんありますが、「ある一定の大きさまで」という条件があるのです。
 つまり、ある一定以上の大きさの建物には融資できない、というわけです。(確か金額にも上限があったと思います。それは貸す金額の上限ではなく、建てる金額の上限です)
 贅沢には補助しない、というわけではないのでしょうが、わが国の政策にはそういうところが多々あります。
 他にも、「生活保護」を受けている世帯は「クーラー」を所有してはいけない、といったことも報道で目にしたこともあります。

 建築会社は施主の予算が許す限り、大きく、いい材料を使って建てたいのですが、「住宅金融公庫」の範囲で、と言われると色々制約を受けることになります。
 使う柱の太さや本数とかも決められています。
 要は、何らかの「補助」を受けるためには、その補助を受ける機構の「縛り」に従わなくてはならないということです。

 国は、「保険の範囲で十分な治療が受けられる」と主張します。国民の大部分もそう思いこんでいます。でも、「歯」より堅い「金属の冠」を入れて、口の中にいい影響があるわけがないのです。
 一時的にはいいでしょう。見かけさえ気にしなければ。ただ、他の「自分の歯」が歳をとるに従って磨り減っていくのに、金属の冠はほとんど磨り減りません。後々必ず悪影響が出るのです。

 一度決めたことは、たとえそれが悪いことであってもなかなか曲げない。
 問題は先送りする。
 一時的に良ければよい、あとはどうなろうと知らない。
 これがわが国の為政者の体質です。(言葉を変えれば、その為政者を選ぶ選挙民の体質でもあります)

 ここまで読んでいただければ、少しお分かりいただけたかと思います。
 僕は、「保険治療を主体にする歯科医師」が良い歯医者で、「自費治療を勧める歯科医師」が悪い歯医者だなどとは、決して言いません。
 「自費」の方が良い治療をできることは判っています。患者さんも「何となく自費治療の方が良さそうだ」とは思っています。
 ただし、「自費治療」を押しつける、もしくはそれしか選択の余地はない、という歯医者はまずいと思います。そして、ごくたまに見うけるのですが、自費治療はちゃんとやるけど、「保険の治療」は手抜きする、という歯医者も残念ですがおります。

 もちろん、何の説明もなく、黙って保険でやってしまう歯医者も、まずいとは思いますが・・・

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